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注意すべき燃焼時の現象 |
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ブンゼン式燃焼のバーナーでは、一次空気孔のダンパーの開き具合で、一次空気量の多少がきまり、炎の状態が変化する。 ダンパーが開いて、一次空気が増すにつれ炎は短く、燃焼がはげしくなり炎の温度も高くなって、ついには小爆音とともに火がバーナー内にもどる。 この現象をフラッシュバック、あるいはバック(逆火)という。
一般に炎が安定しているときの状態というのは、炎孔からの混合気の噴出速度と燃焼速度とがつり合っている場合である。 従って、燃焼速度が噴出速度より大きくなると、炎は炎孔の中に進入し始め、ついにはバックすることとなる。 その直後の原因には、次のようなものがある。
a . 炎孔負荷が設計値より小さくなった場合。 1.バーナーの使用中に、腐食によって炎孔が大きくなった場合。 2.ガス圧力が異常に低くて、ガス量が少なすぎる場合。 3.ノズルやコックにグリス等がつまり、ガスの通過孔が小さくなったため、 ガス量が少なくなった場合。
b . 一次空気孔のダンパーが開きすぎているために、 多量の一次空気が吸引されて燃焼速度が速くなった場合。
c . ガスの燃焼速度は、温度が高くなると速くなる。 従って、バーナー自体が高温度に熱せられ混合気の温度が上がった場合。
尚、バックを防止する対策としては、 上記の原因を取り除いてやれば良いわけである。
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これはバックと正反対の現象で、混合気の噴出速度が燃焼速度より大きくなり、そのため炎は炎孔に接触して燃えずに、ある距離だけ離れた、上方の空間で燃える現象をリフティングといい、ついには吹き飛んで消えてしまう現象をブローオフという。 リフティングのことを単にリフトとも呼ぶ。 リフティングの原因としては次のようなものが考えられる。
a . バーナーの使用中に炎孔がつまって、有効面積が小さくなり、 そのため混合気の噴出速度が速くなった時。
b . ガス圧力が高くて、ガス量が出過ぎる時。
c . ダンパーが開き過ぎて、多量の空気を吸引したために、 混合気の噴出速度が速くなりすぎた場合。
尚、燃焼排気の排出が不完全な場合や、 二次空気の供給が不十分な場合にも、炎が炎孔についたり離れたりして、 リフティングの傾向は、天然ガスやLPガス等のように燃焼速度の遅いガス ほど起こりやすい。
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燃焼排気ガス中に、可燃成分の酸化反応が完了しないために生じる一酸化炭素・刺激性の成分(ホルムアルデヒドなど)および、フリーカーボンが検出される場合に、これを不完全燃焼という。 供給ガスは必要量の空気とよく混合して燃えれば、完全燃焼するが次のような場合には、不完全燃焼を起こす。
a . 空気との接触・混合が不十分な時。
b . ガスのインプットに対し、空気量が不足している時。
c . 排気の排出が不良で、新鮮な空気の供給が不十分な時。
d . 炎が低温度のものに触れて、炎の温度が低下した時、 このようにして不完全燃焼を起こすと、 刺激性成分の発生により目や鼻をいためたり、 恐ろしい一酸化炭素中毒にかかったり、器具にススが付着して 損傷したりする。
従って、不完全燃焼には、たえず注意して、 前述の原因を取り除くことが必要である。
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ブンゼン式燃焼で、一次空気が少なくなると、内炎の先端に赤黄色をした部分が現れ始める。これを、イエローチップという。 これは、炎の炭化水素の熱分解によって炭素粒子が出はじめたことを示している。 これは鍋底などにつくススの原因になるから、イエローチップが生じたら、ダンパーを開いて一時空気量を増やし、適正なブンゼン炎とする必要がある。
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ガスの燃焼を行っているときに騒音を出す場合があるが、この音の種類は次のように大別される。
a . 燃焼音 一次空気率が高い状態で供給ガスを燃焼すると、ガス中の成分である水素や エチレンのような燃焼速度の速いものは燃焼によって騒音を発生することがある。 これを燃焼音という。 一次空気孔のダンパーわ閉めると、この音は小さくなるが、 ブンゼン燃焼である以上、ある程度の燃焼音はやむを得ない。
b . ノズルからの噴出音 ノズルの加工時に切りくずがついていたり、加工が不正確なため、 正しい円形でない場合、およびノズルの深さが浅い場合などに、 ピーという口笛のような音が出る。 この音は、ガス圧力が高いほど大きくなる。 このような音を除去するためには、適正な形状のノズルを選ぶ必要がある。
c . 吸気と混合による音 一次空気のダンパーが固定されずに、ぐらぐらと不安定であったり、 混合管の内面が荒れていて突起部があったりすると、 笛のような音を発生する。 また、ノズルが混合管の中心軸からずれたり、あるいは、 スロート部とノズルとの間の距離が不適当な場合にも同じような音を発生する。 従って、上記の原因を取り除けば、この音の発生はなくなる。
d . 点火音 器具によっては、点火に際して小さな爆発音を生ずることがある。 これを点火音という。 この音は、ガスと空気との混合気が燃焼室内にこもった状態で、 点火が行われた時に発生する爆発音である。 従って、燃焼室内に混合気が充満しないようにしてやればよい。 それにはパイロットバーナーの位置や、バーナー本体の火移り不良を改良し、 点火ミスがないようにすればよい。
e . 消化音 コックを閉めた時、炎が消滅すると同時に発する爆音である。 これはコックを閉めると同時に、ガスの噴出速度が、ほぼ零となるため、 一種の逆火現象で、バーナー内の爆発混合気に火が移り爆発する音である。 一般に、燃焼速度の速いガスや、爆発限界上限値の大きいガス、 一次空気ダンパーの開きすぎの時、あるいはバーナーが過熱されていたり、 炎孔が腐食で大きくなっている場合などに生じやすい。
ところで、ガス器具としては、これらの各現象が起こらないことが望まれる。 また、良好な燃焼状態で使用できる範囲はガスの種類によって違ってくる。 従って、ガスの供給者は、燃焼性が同じガスを供給しなければならないし、 一方、ガスの使用者は、ガスの種類に応じて、 良好な燃焼状態によるよう調整しなければならない。
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